電力会社元社員のニコニコブログ

電力会社に20年以上勤務し退職。電力会社の良い面、悪い面をつづっていきたいと思います。主な読者想定は、電力会社株主、就職活動中の学生さんかな。

就職活動で、成長意欲が高い人は、電力会社に入社すべきではない理由

電力会社は、地元で働きたい学生には人気です。私もたまにOB訪問を受けることがありますが、就活中の学生が目を輝かして、「生まれ育ったこの地方を拠点としながら、この地域の成長、そして海外においても会社を成長させていきたいです。そして自分も成長したいです。」ということを言われます。しかし、言われるたびに胸が痛くなります。実際は、そんな夢がある会社じゃありませんよ、と。
 企業説明会では、人事担当者は、新規事業や海外事業などを華々しくPRすることも多く、だまされる学生が多い状況でお気の毒です。入社し、無事にその仕事に従事した若者は、それらの仕事従事者の社内でのひどい扱いに絶望し、数年で会社を去る例が多いです。
 電力会社に限らず、インフラ企業というのは、守りの経営に徹していますし、人事評価を見ても、攻めて失敗するよりも、何も動かずリスクを負わずに数年間じっとしておいた方が評価されます。また、時代の波に乗った新しい事業の仕事をするよりも、昔ながらのコツコツとした地味な仕事をする方がポストもあり優遇されます。よって、電力会社やインフラ企業においては、新しいことをしたい、会社を成長させたいという意識を持つことは完全に損です。
 電力会社は、2011.3の震災で財務状況が悪くなり、軒並み業績不振ですが、それでもつぶれる可能性はかなり低い業種です。経営層も、何か英断をして業績に大きなインパクトを残すより、何も判断せず次の世代にバトンタッチすることに熱心です。そして、経営部門も、そのような経営者の考えに敏感で、何もしません。
 通常、このような機能してない人事システムは、人事系部門が改革をすることが期待されますが、電力会社の人事担当者はそのような課題認識や志を持たず、ひたすら前例踏襲です。ひどい電力会社だと、組織図を見ればわかる通り、人事系部門や総務系部門が一つの本部を作っており、営業系や新規事業系などが組織上、下に置かれている会社も見られます。就職活動をする際には、組織図を見るといいかもしれません。組織図を見ると、会社が何に力を入れようとしているのか、トップの考えが伝わってくると思います。業績を良くするには、バックオフィスと呼ばれる仕事を極力縮小することが当然の考えですが、こういう組織がぶくぶくと膨れ上がっている会社もあるはずです。